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≪ずつと、追いかけてゐるの…≫                                             遙かシリーズ二次創作ブログです。
2018/02/23 (Fri)09:33
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2010/10/16 (Sat)01:26
本当に全く何にもない情けない状況なので、遙紅花街様の全身の遙か花街様で掲載させて頂いていたものをちょっとずつこちらにも出させて頂こうかと…データの引継ぎしなかったため、お蔵入りになっているものなのですが…い、いい、かな…?

またかよ~って感じですみません!
新しいのも頑張ります!
誰も待ってない気がしないでもないですけど!
もしご存知な方がいらしたら、“ああ、あの時のね…”ってな感じで笑ってやって下さい><

取りあえず翡幸から…

現代パロ…?
むしろなんちゃって軍パロかもしれません。
花梨ちゃんがシスターで、軍関係者の勝真さんに、幼いころの体験を語る、という説明が無いと全然わからないダメな話です。
なんちゃってなので、色々細かいところには目を瞑ってやって下さいませ><
それでは、続きに置かせて頂きます。






小さな頃は、あの日がどんな日かわからなかったんです。
でも、今になってやっと分かった気がするの。


あの日あの瞬間は、何よりも尊い瞬間だったんだわ。



  *銃*



まだ私が見習い…といっても、孤児だった私は教会で同じような境遇の子供たちと一緒に育っていた、そんな頃。

ある日いきなり神父様に、『明日から暫く、お外には行けないよ。教会の地下室で、寝たり起きたり遊んだりするんだよ』って言われたの。

私聞いたわ。お外のほうがお花も咲いて、小川もあって、ちょうちょも飛んでてとっても楽しいわ。
どうしてまっくらな地下室になんか行かなきゃいけないの?って。

でも神父様は、


「大丈夫。すぐにお外で遊べます。お庭の白いお花があるでしょう?あれが散る前には、お部屋から出られますよ」


そう言っただけで、“なんで”の部分は教えてくれなかった。

その夜、寝る前に一番年長の子がこっそり教えてくれたわ。
明日から、お外では怖いことが始まるんだって。
怖いことって何?って聞いたら、せんそうだって。
そのころはよく意味が分からなかったけど、それを聞こうとする前に私は眠気に負けちゃったんです。


翌朝皆大事なものを持って地下室に入ったの。
私は誕生日にもらったぬいぐるみを抱いていたんだけど…よくある話よね。
朝のお祈りの時、礼拝堂に聖書を置いてきてしまったのを思い出したの。皆に言ったら、またそれは後で取りに行けばいい。もし無くなってしまっても、神はお叱りになりませんよ、と言ってくれたけど、どうにも気になって仕方なくて…

大人たちの眼を盗んで、こっそり地下室を抜け出したの。今思うと凄い度胸ですよね。
地下室自体は教会の下にあるらしいんだけど、出入り口は教会の裏手の神父様のお家にあるのね。
玄関のドアをそっと開けて、表の教会まで走ったの。

そうしたらどう?窓の外には誰もいない。小鳥の声さえしないの。

大人たちの制止を聞かないで出てきたから、それはもう、子供の私には恐ろしい沈黙だった。
短い足を必死に動かして、重いドアを必死で開けて。
とにかく聖書を見つけてすぐに帰ろう。それだけ考えていたな…

でも、礼拝堂に飛び込んだ瞬間、そんな考えはどこかに飛んで行っちゃった。





綺麗だった。





それだけに衝撃だったな。







丁度お日様の高さと、礼拝堂のステンドグラスが重なって、眩いばかりの光が差し込んで。


その光の下には、私の知らない人が、二人、立っていて。


逆光でしかも後ろ姿しか見えなかったけど、凛とした背中は、何かもの言いたげで。
それでも互いに何も言葉交わさず、顔も合わせず、二人の髪だけが、きらきら、きらきらと。

きっと私が入ってきたことに気づかなかったんでしょう。
二人はただじっと、無言のまま。そこは時が止まったようでした。


「……幸鷹」


漸く沈黙を破ったのは、腰まで届く長髪の、声から男性と知りました。
だって、礼拝堂の一番後ろからじゃ、見分けがつかなかったんだもの。


「…もう、行かなくては」


対照的に、肩口で髪を切りそろえた人もやっと言葉を発したの。
男の人だったんですね。綺麗な硝子をかけていたわ。


「思い出すね。初めて共同戦線を張った日…君はあの時もそう言ったね」

「…忘れて下さい。それに結局は、居眠りしていた貴方の指揮した部隊のほうが早かったんですから」

「そうだったかな…」

「ええ」

「まったく君は、そんな事ばかり覚えていて」

「お互い様でしょう」


幼かった私には、意味が全然わかりませんでしたけど、とても二人がさみしそうだったのはわかったわ。


「…もう、行かなければ」

「ねぇ、幸」

「何ですか」

「君は、次私を見たらどうするんだい」

「撃ちます」

「だろうね」


少しばかり、笑い声がしました。


「私もそうだ」

「でしょうね」

「眉一つ動かさず、君のその白い額に照準を定めて」

「染み付いた技術で、躊躇いなく引き金を引くのでしょう」

「ああ」


今度は、違う人のほうが、少しばかり笑ったようで。


「それが、お互い良いでしょう」

「…だから、これを」

「翡翠」

「私は君を殺したくない。君に殺されたくもない。だから」


そう言って、お髪の長い人は、懐から黒い塊を差し出した。


「私は私によって逝くんだ」


差し出されたそれをぢっと見つめた後に、今度はお髪の短い人が、


「わかりました。ならばこれを」


私も同感です、と、また黒い塊を取り出して、それで、二人はそれを静かに交換しました。


「…大切に連れて行くよ、愛しい人の代わりに」

「それにしては、風情のないものですが」

「それもそうだ」


今度は二人で、少しだけ安心したような声で、笑っていました。


「……もう、行かなければ」

「…そうだね」

そうして、ここで初めて見つめあって、ほぼ同時に、被るように、互いに唇を震わせたのです。


「君が」

「貴方が」


「「好き」」


「だった」

「でした」


それから二人はとても切なげに、この上なく綺麗に笑って、

掠めるだけの口づけを交わして、

一人は東の扉から、もう一人は西の扉から、お外へ消えてゆきました…





勝真さん?どうしたんですか?顔色が…


もしかして、お知り合い…


…そうですよね。もう、随分昔の話だから。





――――――え?ああ、確かに二人とも男の方でした。


私もそれは考えました。


それでも







あの愛をお認めにならない神など、どこにもおられますまい。

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