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≪ずつと、追いかけてゐるの…≫                                             遙かシリーズ二次創作ブログです。
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2010/10/17 (Sun)04:53
たまには新しいものを。
と言ってもお蔵入りになっていたものですが…
何故そうなったのかはわからないのですが…なんでだろう?

那→風的な那岐の独り言なので、那風那は詐欺かもしれません。
むしろ葦原家…なのかな?
ううん、なんというか、那→風になる切欠というか、その一歩手前くらいの感じ?…中途半端ですみません!

大体において、私の風早先生は誰も見てないんですかね(苦笑)
色々な人と絡ませようと試みてみても、どうしても一方通行みたいになってしまうんです。
見ているとしたら、千尋ちゃんか白龍かな。
他の人に関心が無いというわけではないですよ。
ほら、皆のパパですし(笑)

あまり明るい話ではないですが、よろしければ続きからどうぞ。


子供っていうのは、自分が愛されているかどうかに酷く敏感で。
だからこそとてもいじらしくて、それでいてとっても傲慢。

そんなの、あいつは知ってるんだと思っていた。
いや、当然知っているから千尋にあんな風に接してた。
自分の持てる限りの愛情というものを、惜しげもなく注いでた。
溢れるのなんて構いやしない、むしろそんなこと考えてもいなそうだった。


 *羽根床の金糸*


あいつの態度と零れ聞く言葉から、千尋が親の愛を知らないことはなんとなく見当がついた。
それをあいつは埋めようとしていたんだと思う。
そして事実、それを埋めることができたし、そのことに幸福を感じてた。

あいつは千尋の従者だっていうから、それは別に当り前のことなんだろう。
まぁ今は完全に保護者って言った方が、しっくりくるような感じだけど。

自らの都が燃え落ちるのを見て、その挙句異世界へ飛ばされて。
最初千尋は可哀想なくらい、不安定で、虚ろだった。
それをあいつはどうやったのか、千尋の記憶だけ消した。
その結果、不安そうではあったけど、千尋は目に見えて元気になった。

都合のいい嘘の鳥籠は意外に頑丈で、居心地は悪くなかった。
その中で、千尋はおっかなびっくり羽根を広げる練習をしてた。
あいつは親鳥でもないのに、それをずっとそばで見ていて。
僕は鳥籠の隅の方で、それをずっとぼんやり眺めてた。

僕だって、別にいつでもその翼の庇護下に潜り込むことは出来た。
あいつは何も言わなかったけど、別に拒みはしないってことを僕は知っていた。
千尋だって別に、どうとも思わないことだってわかってた。

それでも、僕は他人のモノになんて興味なかったし。
そんな子供でもないと自分では思っていたから、そこで眠ることはなかった。
僕が一番でいられる場所は、僕のせいで遠い何処かへ行ってしまった。
僕は痛いほどそれを知っていたから。

子供じみた願望だってのはわかってた。
それでも、確かに僕はまだ子供で。
僕の内側だって、どこかがぽっかり空いていた。
埋められるものなら埋めて欲しかった。
だけど、求めることはしなかった。
そして、彼女のそれが埋められてゆくのが。
それは酷く、羨ましかった。

子供っていうのは、自分が愛されているかどうかに酷く敏感で。
だからこそとてもいじらしくて、それでいてとっても傲慢。

そんなの、あいつは知ってるんだと思っていた。
いや、当然知らなかったから僕にこんな風に接してた。
自分の持てる限りの愛情というものを、惜しげもなく千尋へ。
溢れるのなんて構いやしない、むしろそんなこと露ほど考えてもいなそうだった。


僕は、泣けばよかったのだろうか。

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